心斎橋unreveが20年愛され続ける、小さな理由

こんにちは。心斎橋unreveです。

気がつけば、この場所で20年という時間が過ぎていました。 「どうして続いているんですか？」 時々、そんな質問をいただくことがあります。 正直に言うと、明確な答えはありません。

むしろ、毎日が「今日も無事に」の積み重ねです。 でも、振り返ってみると、いくつかの小さな「変わらないもの」があったように思います。

お客様を、お客様として見すぎないこと

美容室にいらっしゃる方は、もちろん「お客様」です。 でも、それ以前に一人の人間として、 「今日はどんな気持ちでいらっしゃったのだろう」 と考えることから始まっています。

疲れている時もあれば、嬉しいことがあった日もある。 大切な予定を控えている方もいれば、 なんとなく気分転換したい方もいる。

髪を切ることは手段で、 本当は「気持ちよく過ごしていただく」ことが目的なのかもしれません。

20年という時間の中で、様々な方との出会いがありました。

新社会人として初めてのカラーをされた方が、今ではお母さんになって娘さんと一緒にいらっしゃる。

転職を機にイメージチェンジをしたいと相談されていた方が、今では管理職として忙しい毎日を送られている。

そんな人生の節目に立ち会わせていただくたび、 私たちの仕事は髪を扱うことだけれど、 本当はその方の人生に寄り添うことなのだと感じます。

完璧を目指さないこと

20年前も、今も、私たちは完璧ではありません。 技術も、接客も、まだまだ学ぶことばかり。

でも、「もっと良くなりたい」と思う気持ちは変わりません。 昨日よりも今日、今日よりも明日。

少しずつでも、何かひとつでも。 お客様からの「ありがとう」に甘えることなく、 でも、必要以上に自分たちを責めることもなく。 そんなバランスを保ち続けてきたような気がします。

時には失敗もありました。 お客様のご希望と違う仕上がりになってしまったり、 技術不足で満足していただけなかったり。 そんな時、逃げずに向き合うこと。

素直に謝り、どうすれば良くなるかを一緒に考えること。 それが、信頼関係を築く第一歩だと学びました。

完璧でない自分たちを受け入れながら、 でも成長し続ける。 それが、長く続ける秘訣なのかもしれません。

流行に踊らされすぎないこと

心斎橋という場所柄、新しいトレンドは絶えず生まれています。 私たちも、常にアンテナを張り、技術を学び続けています。

でも、流行だからといって、すべてを取り入れるわけではありません。

「この方に本当に似合うだろうか」

「その方らしさを活かせるだろうか」

そんなことを考えながら、選択しています。

話題のスタイルや薬剤

流行りのカットやヘアカラー

単なる流行として取り入れたのではありません。

「お客様により美しくなっていただきたい」

「髪を傷めずに理想の色を実現したい」

そんな想いから生まれた技術です。

新しいものを取り入れる時も、 変わらず大切にしたいものを見失わないように。 それは、その方らしい美しさを引き出すこと。 時間が経っても色褪せない、本質的な魅力を大切にすること。

スタッフを、家族のように想うこと

20年の間に、たくさんのスタッフが巣立っていきました。 それぞれが、それぞれの道を歩んでいます。

在籍中は、技術を教えることはもちろんですが、 それよりも「人として成長できる場所」でありたいと思ってきました。

ここで過ごした時間が、 その後の人生にとって少しでもプラスになれば。

そんな想いで、一人ひとりと向き合ってきました。

美容師という仕事は、技術職でもありますが、 同時に人と人とのコミュニケーションが中心の仕事です。

お客様に喜んでいただくためには、 まず私たち自身が心地よく働けることが大切。 仲間を信頼し、支え合い、時には厳しく指摘し合う。

そんな関係性の中で、自然と良いサービスが生まれてくる。

今でも、以前働いていたスタッフが顔を見せに来てくれることがあります。

「unreveでの経験があったから、今があります」 そんな言葉をいただく時、 この仕事をしていて良かったと心から思います。

「何か」を追求し続けること

私たちがよく口にする「何か」という言葉。 これは、言葉にするのが難しいものです。 技術や接客を超えた、もうひとつの何か。 お客様が帰り道で感じる、ほんのり温かい気持ち。 スタッフ同士が自然に助け合う、優しい空気。 目に見えないけれど、確かに存在するもの。

それを大切にし続けてきました。

例えば、朝の挨拶の声のトーン。 お客様をお席にご案内する時の歩き方。 カットしている時の集中した静寂。 仕上がりを確認していただく時の、共に喜ぶ瞬間。 そういった一つひとつの積み重ねが、 unreveという空間を作っているのだと思います。

マニュアルには書けない、 でも確実に存在する価値。

それを見つけ、育て、次の世代に伝えていくこと。 それが、私たちの使命のような気がしています。

地域との繋がりを大切にすること

心斎橋という街で20年。 この街の変化を、間近で見てきました。 新しいお店ができ、古いお店がなくなり、 人の流れも、街の雰囲気も、少しずつ変わっていく。 でも、変わらないものもあります。 それは、この街を愛する人たちの温かさです。 近隣のお店の方々との何気ない会話。 長年通ってくださるお客様との信頼関係。 この街で出会った、たくさんの方々との縁。 そういったものが、私たちを支えてくれています。 unreveは、心斎橋という街の一部として、 この街と共に歩んできました。 これからも、この街の魅力を高めるような存在でありたい。

この街にいることを誇りに思えるような、 そんな美容室でありたいと思います。

時代とともに変わるもの、変わらないもの

20年の間に、美容業界も大きく変わりました。 技術の進歩、薬剤の改良、器具の発達。 お客様のニーズの多様化、価値観の変化。 SNSの普及による情報伝達の変化。 私たちも、時代に合わせて変化してきました。 でも、変わらないものもあります。 「お客様に喜んでいただきたい」という想い。 「一人ひとりの個性を大切にしたい」という価値観。 「丁寧に、心を込めて」という姿勢。

技術や手法は変わっても、 根本にある想いは変わりません。

これから先、どんなに時代が変わっても、 この変わらない部分を大切にしながら、 必要な変化は柔軟に受け入れていきたいと思います。

これからも、変わらずに

20年という時間は、決して短くありません。 でも、毎日を積み重ねてきただけです。 これから先も、特別なことはするつもりはありません。

今日も明日も、目の前の一人ひとりのお客様と、 丁寧に向き合っていく。

それが、私たちunreveの「続ける」ということなのかもしれません。

お客様の笑顔、スタッフの成長、街との繋がり。 そういった日常の中にある美しいものを大切にしながら、 静かに、でも確実に、歩き続けていきたいと思います。

30年後、40年後。 どんな街になり、どんな人たちと出会い、 どんな美容室になっているのでしょうか。

想像はつきませんが、 きっと今と変わらず、 一人ひとりのお客様と向き合っているのだと思います。

いつも支えてくださる皆様に、 心から感謝を込めて。

そして、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

心斎橋unreve スタッフ一同